phaさんの「しないことリスト」を読んだ感想

pha(ファ)さんのしないことリストを読んだ。

phaさんって何者?

作者のphaさんは、1978年大阪生まれの京大出身の男性。

28歳で会社を辞め、以後定職にはつかずブログを書いたり、本を出版したり、低所得者向けのシェアハウスの経営などをしながらふらふら暮らしているそうだ。

今の日本は「しなければいけないこと」が溢れている。

なんでこんなに「しなければいけないこと」に追われているのか?

phaさんは、それは「情報が多すぎる」からで、もう一つの理由を「儲けるため」だと言っている。

人々の不安を煽って売ってくるものは広告が言うほどは「ないとヤバい」ことにはならないもので、必要以上に脅してくる人は、何かを買わせようとしている人か、自分に自信がないから他人の生き方を否定しようとしている人なので、そういう人たちの言うことは聞かなくていい。

特に健康や人間のコンプレックスや不安を煽るものは注意が必要だ。

いわゆる「しなきゃいけないこと」の99%は「本当は別にしなくてもいいこと」だ。

本当に自分にとって必要かどうかは、自分の頭で一つ一つ考えていくしかないとphaさんは言っている。

私が共感した「しないことリスト

過去に固執しない

間違った方向に進み続けるよりは、早めに方向転換をしたほうが傷は浅くて済む。

投資の世界では「損切り」と呼ばれる。

投資をしていてもこの「損切り」は難しい。

投資ですらそうなのだから、頑張ってきた人生を「向いていない」「間違っている」と認めて方向転換するのは大変なことだ。

この方向転換の仕方についてうまく書かれているのが、為末さんの諦める力

自分のタイプを知って、活かせる場所を早く見つけるに越したことはない。

だるさを無視しない

だるさを単なる怠惰な気持ちとして無視するんじゃなくて、もっとだるさに敏感になったほうがいい。

私は会社に勤めていたとき、自分は燃費の悪い身体の持ち主だと思っていた。

以前の会社はヘビーな勤務をしている人がたくさんいて(心を壊している人も何人もいたけど)、その人たちと比べると自分は燃費が悪いといつも感じていた。

すぐ疲れるし眠くなる。

でも頑張らないといけないと勝手に思い込み、毎日自分の身体に鞭を打ち、モチベーションをなんとかあげて無理して仕事をしていた。

セミリタイアした今は、疲れたらすぐ休める自由があるので幸せだ。

大きく見せない

他人の評価なんてどうでもいい。自分が自分自身の世界の中でそれなりに自己評価できるかどうかが重要だ。

自分のことは自分で評価しながら生きていければよい。

睡眠を削らない

ゆっくり十分眠れない生活は、どこか生き物として間違っているんじゃないかと思う。寝ないと人間は体を壊したり心に余裕がなくなったりするし、睡眠は命の基礎だ。

学生時代から、とにかく寝るのが好き。

燃費の悪いこの身体を癒すのは睡眠しかなく、セミリタイアして一番嬉しいのは、好きなときに好きなだけ寝れることだ。

イヤなことをしない

仕事で成功を収めている人というのは、大体の場合、自分の適性を見つけて自分に向いていることをひたすらやり続けた人だ。人生なんて結構タイミング次第で、うまくいかないときはいくらがんばってもうまくいかないし、うまくいくときはそんなにがんばらなくてもスッと物事が進むものだ。がんばるかどうかと報われるかどうかは別問題。

私がセミリタイアして好きなことをして生きていこうと考えたとき、「好きなことって何?」と思ったが、「やりたくないことは思い切ってやめてみよう」と考えてから楽になった。

一箇所にとどまらない

人間が変わる方法は3つしかない。1番目は時間配分を変える。2番目は住む場所を変える。3番目はつきあう人を変える。この3つの要素でしか人間は変わらない。最も無意味なのは、「決意を新たにする」ことだ。

自分の経験から言うと、環境を変えるのが一番早い。

自分の実力にしない

世の中は、がんばればうまくいくというような単純な仕組みになっていることは少ない。同じくらいがんばっている二人の人がいて、一方がうまくいってもう一方がうまくいかない、なんてことはざらにある。結局、成功は運やタイミング次第で決まったりするのだ。少数のたまたまうまくいった成功例を一般化してはいけない。

40歳を前にして、運とタイミングが一番大事だと気付いた。

予測してその通り物事が進むほど世の中は甘くない。

何かのためにしない

何かをするときは、「それが何の役に立つか」を考えるよりも、そのこと自体を楽しむのが健全だ。

これからは結果ばかり求めるのではなく、過程を楽しみながら生きていきたい。

phaさんの本はとても読みやいのでおススメだ。