これが世界と日本経済の真実だを読んだ。
髙橋洋一氏は著書の中で、トランプ大統領の誕生を不安がっているのは愚の骨頂と言っている。
(髙橋氏は、この本の執筆時2016年8月31日現在でトランプが52:48で優勢とみていた。)
国粋主義的、排他的、差別主義者とネガティブな評価は尽きないが、トランプの本質はそのような思想的な部分にないと考えている。
マスコミは感情や思想ばかりを取り上げがちだが、アメリカの政治家、とくに選挙のニュースではその人のロジック、どう現実的に損得判断しているかというところに目を向けることが大事だと言っている。
ビジネスで成功した男
トランプの注目すべきポイントは、ビジネスで成功した男ということ。
アメリカ人はビジネスを成功させた男としてのトランプを評価しており、トランプの過激な発言はその場その場のパフォーマンスに過ぎず、そもそもは思想のない男と見るのが正しいと言っている。
トランプの本質は?
思想のない男に政治家が務まるかと不安もよぎるが、トランプの本質はどこにあるのか?
髙橋氏は「Deal(取引、交渉)」と言っている。
トランプ自身
私の最大の快楽はDealに勝つことだ。
と語っている。
トランプが所有している資産はビジネスでの「Deal」に成功した証拠でもある。
髙橋氏は、思想より「Deal」を重視する人間の方が実際の交渉は随分やりやすいと言っている。
思想がある人間は「とにかく俺の話を聞け」と言って交渉の余地がないが、トランプは「Deal」の人間だからまだ話ができると考えるべきだそうだ。
トランプ流の交渉術
トランプは自分の主張がそのまま受け入れられるはずもないと分かったうえで無茶な主張をぶち上げる。
最初に高めの球を投げ、相手のリアクションを見て次の手、さらにその次の手を考える。
それが交渉というもので、日本人の感覚だと元々の値段から引き下げるのは下品と思うかもしれないが、それでは国際社会で生き残っていけない。
髙橋氏は、日本人は国際社会での交渉の作法を知らなさすぎると言っている。
トランプは思想ではなくビジネスの男なのだから、今は「アメリカファースト」と言っていても、日米にとってウィンウィンの取引ができれば必ずその話に乗ってくる。
日本に対して
駐留経費を大幅に増やさないと、日本から米軍を撤退させることもあり得る。
TPP(環太平洋連携協定)は米国ビジネスへの攻撃だ。 日本の為替操作は止められない。損な取引だ。
髙橋氏は安保と貿易に関してはお金の話、すなわち損益勘定で行う「Deal」の話なので日本は恐れず国益を最大にするためのビジネスと理解し、過度に恐れる必要はないと言っている。
イスラム教徒やヒスパニックと違い、日本人という民族・人種を攻撃するようなものはなく、日本に対しては無思想。
TPPはどうなる?
トランプはTPPからの離脱を表明し、23日「永久に離脱する」とした大統領令に署名した。
アメリカの製造業のトップを招いた朝食会では、日本の自動車業界をやり玉にあげ日本を非難した。
トランプが離脱を急いだのは自らの支持層である労働者層にアピールする狙いがあるとみられているが、共和党のマケイン上院議員は今回の離脱について「失望した」と声明を出すなど同じ共和党内からも批判が出ているため、トランプの思い通りに進めるかは今のところ不透明。
甘利前経済再生担当相は新聞社の取材に対して、
「最初から米国抜きでやるのは私は少し抵抗を感じる」とした上で「今はめいいっぱいテンションが上がっている中で、正面からあなたは間違っていると言ってもなかなか聞く耳は持たないと思う」と述べた。日本政府の対応については、「1年くらい懐深く構えて対応すればいい。トランプ氏は同盟国の関係はしっかり強化すると言及したので、貿易や在日米軍の駐留経費など正しい情報を大統領に伝える努力が必要だ」
と話している。
ロイターは、
2月に予定される安倍晋三首相との首脳会談で、環太平洋連携協定(TPP)に代わる2国間協定での早期合意を求める方針だ。米政権当局者が26日、明らかにした。この当局者は「安倍首相の訪米はTPPの代替案を見いだす場になるとみている」と述べた。その上で「TPPのために首相が投じた政治的資本に配慮し、代替案について首相との協力に努める」とした。トランプ大統領は26日、TPPなどの多国間協定ではなく複数の2国間協定を締結する考えをあらためて表明。米国が不当に扱われた場合、30日前までの通告で協定を停止できる内容も盛り込むとした。
と報道している。
髙橋氏曰く、トランプはTPPに関しては日本に「Deal」に負けていることが許せないとのこと。
トランプが言い続けているのは、「オバマ交渉下手。俺ならもっとうまくやれる。」ということらしい。
トランプ流の交渉術として、最初に高めの球として「TPPからの撤退」の宣言を投げて交渉の最初のカードにしているに過ぎない。
他の参加国が「はい、そうですか。分かりました。」と納得してしまったら、トランプの方がびっくりするだろうと話している。
日本にとっては「勝ちすぎ」も良くないので、両者がウィンウィンになれるベストな貿易関係を考えて堂々と交渉すればよいだけとのことだそうだ。
安全保障は?
髙橋氏は、安全保障に関していえば大きな変化はないと考えているそう。
日本から米軍を撤退させて自主防衛させると言うのも、最初の球を高めに投げる交渉術に過ぎず、国民の支持を得るためのリップサービスに過ぎない。
安全保障政策については国際情勢を判断しながら冷静に「Deal」が行われるもので、「義理人情」などの感情で動くようなものではない。
国民に示しとして日本の米軍基地負担について「思いやり予算」の増額は求めるかもしれないが、些細な交渉に過ぎず、数千億円レベルの話でしかしないとしている。
任期を全うできない?
映画監督のマイケル・ムーアは、トランプは法を犯して弾劾されるか辞任するだろうと言っている。
(ハフィントンポスト マイケル・ムーア「トランプは任期4年を全うできない」)
トランプは大統領の任期中に、何か不正行為かスキャンダルを働いて、途中で解任になる可能性も、けっこう高いんじゃないかと個人的には思っています。
と言っている。
私はあれだけ過激な発言をしていたら、暗殺したい人わんさかいるだろうなーと思っている
トランプが任期を全うできず、副大統領のマイク・ペンスが大統領になった方が日本にとっては良いのかもしれない。
副大統領のマイク・ペンスは親日派で有名で、インディアナ知事時代から日系企業誘致に熱心に取り組んでいた。
中国や北朝鮮を警戒し、日米同盟を重視する従来の共和党保守本流の外交姿勢をとるため、日本の安全保障上からも頼りがいのある人物とも言われている。
TPP推進、ロシアの拡張主義に批判的な外交姿勢、NATO支持といった政治主張もトランプと対立しているようなので、日本にとってはトランプよりありがたい存在かもしれない。
トランプより長女イヴァンカ娘婿の方が胡散臭い
私はトランプより、長女イヴァンカの娘婿ジャレッド・コーリー・クシュナーの方が胡散臭く感じる。
(トランプを利用してのし上がりますオーラびんびん。)
不動産開発企業クシュナー・カンパニーズの創業者チャールズ・クシュナーの長男として、ニュージャージー州エセックス郡リビングストンに生まれる。クシュナー家は1949年に祖父母がポーランドから米国へ移民したユダヤ人で、ホロコーストからの生還者である。正統派ユダヤ教の戒律に従った食事をとり、安息日を守り、ニューヨークのアッパーイーストサイドにある上流階級向けのシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝堂)に通う。父親は民主党への大口献金者であり、息子たちの入学直前にハーバード大学、ニューヨーク大学へ大口寄付をしたことでも知られる。 2003年にハーバード大学を優等(cum laude)で卒業、社会学士号(B.A. in sociology)を得た。2007年にニューヨーク大学ビジネス・スクール・ロー・スクールのジョイント・プログラムでMBA・法務博士(J.D.)号を取得した。 2004年に父親が脱税、証人買収、選挙資金の違法献金など計18件の訴因で2年間の実刑判決を受け、ジャレッドが事業を引き継いだ。 2006年、ニューヨーク・オブザーバーを1000万ドルで買収した。同年、単一のビル購入としては米国史上で最高額となるマンハッタン5番街の41階建て高層ビルを41億ドルで購入する案件を手がけて話題となる。 Wikipedia ジャレッド・クシュナー経歴
ホワイトハウスの上級顧問になるにあたり無給で働くそうですが、大富豪なので無給でも全く問題ないでしょう。
復讐は冷ましてから食べる料理である
ニュージャージー州知事クリス・クリスティー氏は、トランプ氏の副大統領候補として報じられたが、クシュナー氏は、インディアナ州知事マイク・ペンス氏を推薦した。クリスティー氏は政権移行チームの責任者に指名されたが、結局チームから外れ、ペンス氏に交代した。クリスティー氏が政権移行チームから突然離脱したのは、クシュナー氏との不和が原因だとされている。2004年に、クシュナー氏の父親チャールズ・クシュナー氏は、当時ニュージャージー州の連邦検事だったクリスティー氏に脱税、証人買収、違法政治献金の罪で起訴され、有罪となって服役した。NBCは、この動きをクリスティー氏に近いあらゆる人を対象にした「スターリン式粛清」の一環と伝えている。 ハフィントンポスト トランプ次期大統領の新たな上級顧問、娘婿のジャレッド・クシュナー氏とは何者なのか?
トランプのおっちゃんより、この人の方が怖いw