個人型確定拠出年金(iDeCo)ってなに?
個人型確定拠出年金(iDeCo)とは、国民年金や厚生年金といった強制型の年金とは違い、個人の任意で加入する年金。
昨年の法改正により、サラリーマン家庭の専業主婦(第三号被保険者)、公務員などに、確定拠出年金が利用可能な対象者が拡大されたこともあり、個人型確定拠出年金の普及は政策的にも大きな課題とされているようだ。
税制優遇
掛金
月々の掛金は上限あり
月額5,000円以上からで1,000円単位。
今年の1月より
※1 企業年金の種類によって異なる。 ※2 国民年金基金や付加保険料と合わせて6万8000円が限度。 ※2 国民年金保険料が未納の月は掛金を納めることはできない。掛金を拠出せず、残高の運用のみを行う「運用指図者」となることもできる。
休止・再開
申し出手続きをすることはいつでも可能。
掛金の積み立てをしないで運用のみを行うことはできるが、それまでに積み立てた資産の引き出しは、東日本大震災の被災者になる等特殊な事情に該当しない限り認められない。
納付方法
自営・無職の人は本人口座からの引落し。会社員は、給与天引か本人口座からの引落。 ※前納、追納という制度はなし。 ※口座引落日に残高がなく掛金を納付できない場合、その月は未納扱いとなる。
金額の変更
毎年4月~翌年3月までの間の年1回だけ。 被保険者種別変更時の金額変更は変更回数に含まない。
運用
選択する金融機関(運営管理機関)によって用意されている金融商品が異なり、個人型・企業型であっても、運用管理機関は自分で選ばなくてはならない。
複数の金融機関を同時に利用することはできないが、変更はいつでもできる。
ただし、資産を移す手続には2ヶ月程度かかることが多く、その間運用はできず費用がかかることもある。
商品内容
商品内容は各金融機関によって様々だが、元本確保型の定期預金や国内債券・株式、外国債券・株式、REITなどを投資対象にするパッシブタイプとアクティブタイプの投資信託がある。
(もちろん投資信託には信託報酬といった手数料もかかる。)
「パッシブ・ファンド」とは、市場全体の平均的な収益を獲得することを目的とし、十分に分散化されたポートフォリオを保有するタイプのファンドです。 「アクティブ・ファンド」は、市場や投資銘柄に対するさまざまな調査結果や予測を基にして、市場の平均的な収益率を上回る運用成果をあげようとするものです。
パッシブファンドはコスト(信託報酬)が安く、アクティブファンドは高くなる。
手数料(口座管理料)
手数料は、
- 加入時の手数料
- 運用期間中にかかる手数料(毎月)
- プランや運用金融機関変更時の移管手数料
- 年金受取時の手数料
- (投資信託の場合)信託報酬
などがあり、残高が大きくなると信託報酬等の負担額が口座管理料を上回る。
選ぶ基準
運営管理機関も運用商品も、選択の際に最も重視すべき基準は「コスト」だ。無駄にコストが高くて、他の運営管理機関・運用商品よりも明らかに劣るものを拙著では「地雷」と呼んで、これを避けるよう繰り返し警告している。 運用商品ラインナップに手数料の高い商品ばかりが並び、その他の手数料も高い「地雷」は運営管理機関のレベルでも存在する。 また、企業型であっても、個人型であっても、運営管理機関あるいは運用会社が手数料を稼ぐための「地雷」が、商品ラインナップに潜んでいることがしばしばある。 それも、一見、確定拠出年金向けに親切に設計されたような体裁の「ターゲット・イヤー型」、「ライフサイクル・ファンド」などと称されるバランス・ファンドに「地雷」が仕込まれていたりするので、注意したい。 ①低コストで、②運用の中身が分かるシンプルな商品を、③自分で組み合わせる、ということが確定拠出年金の運用にあっても王道だ。 確定拠出年金について伝えたい5つのメッセージ
給付(受取)は3種類
老齢給付金
老齢給付金とは、企業年金制度において「老齢」を事由に受け取れる年金または一時金のことをいう。
60歳時点で加入していた期間(通算加入者等期間)が10年以上ある場合には、受け取る権利(受給権)が60歳時点で得られる。
受け取りは、受給権を得た後、自分で70歳までの間に申請手続きが必要となる。
通算加入者等期間 受給開始年齢 10年以上 満60歳 8年以上10年未満 満61歳 6年以上8年未満 満62歳 4年以上6年未満 満63歳 2年以上4年未満 満64歳 1ヶ月以上2年未満 満65歳
障害給付金
70歳到達前に、傷病によって一定以上の障害状態になった場合、傷病から一定期間(1年6カ月)経過後に請求により、受給することができる。
死亡一時金
死亡した場合、遺族が一時金として受け取ることができる。また、年金受給中に持分を残して死亡した場合も、遺族が残額を受け取ることができる。
70歳になっても請求しない場合
全額一時金として支給される。
年金か一時金か
厚生年金などがある人は年金方式で受け取ると控除枠を超える可能性が高いためお勧めしません。基本は一時金として受け取るのが良いですが、退職金が多い人は退職金と確定拠出年金の受け取り時期をずらすほうが良いです。
退職金が出ない人や少ない人も、一時金で受け取る方が有利のようだ。
個人型確定拠出年金(iDeCo)のメリット・デメリット
iDeCoナビでは最大のメリットは「節税効果」と「60歳まで引き出せない」としているが、人によっては「60歳まで引き出せない」はデメリットと捉えている人もいる。
追記(2017年4月30日)
積立金には別途1.173%の特別法人税がかかるが、現在まで課税が凍結されるという表現があるため将来的に再開されると節税目当てでiDeCoを始めた人はメリットがなくなる可能性がある。
今のところ2020年3月末までとのことだが、完全廃止という表現に変わるまでは何があるかわからない。
私の場合は?
会社員時代に貯蓄機能付の終身保険に入っている。
保険料の払い込みは60歳まで続き、その前に解約すると戻ってくるお金は払い込んだ金額よりも少なくなる。
私の場合、「60歳まで引き出せない」という強制的な貯金はこの終身保険で既に利用している。
現在の個人の専業投資家(国民健康保険加入)としての立場で節税を考えると、以前「個人投資家の確定申告について調べてみた」で書いたように、株の特定口座「源泉徴収あり」を選択して確定申告しない方がお得だ。
(現状、還付される税金より国民健康保険料の方が高い為。)
株の儲けを確定申告した場合には、その分国民健康保険料の算定に加算されることになるので保険料がアップする。
私が住んでいる地域の保険料は全国平均より高い上、年に1回も病院に行かない身としては、国民健康保険料は確実に抑えたい費用だ。
源泉徴収あり口座の特徴 ・確定申告はしなくてもよい ・利益は全額が課税対象となる ・株の利益(所得)は預金などと同様に所得としてカウントされない ・年間を通じて損失が出た場合の繰り越しができない(※) ※源泉徴収あり口座でも確定申告をすれば損失の繰り越しは可能です
医療費控除や住宅ローン控除を利用しない私は、ふるさと納税のワンストップ特例制度を利用して住民税を節税していこうと思う。
ふるさと納税に関して言えば、株の利益は「申告」することで申告しただけ、住民税の所得割額が増加することになるため、ふるさと納税を最小自己負担額(2000円)で寄付可能な上限額がアップすることになります。
まとめ
メリットである「節税効果」、デメリット(?)である「60歳まで引き出せない」を考慮すると、将来的には利用するかもしれないが、すぐに利用はしないことにする。