現物投資よりREIT(不動産投資信託)の方に興味があったが、まずは勉強と思い現物投資の方から調べてみた。
世界一やさしい不動産投資の教科書1年生
不動産投資のリスク
不動産の価格は売主によって決まるが、最終的な売却価格は市場が決めるとのこと。
リスクはFXや信用取引のようなレバレッジをかけたものに比べると低く、中程度ではあるが元本保証はなし。
- 物件の滅失、毀損
- 物件選びの失敗による空室、賃料の下落
- 貸借人選びの失敗による賃料の未払い
上記のリスクを回避する方法さえ知っていれば、不動産投資は「ミドルリスク・ミドルリターンの投資」とのこと。
不動産投資は儲かるのか?
不動産投資には、インカムゲイン(家賃収入)とキャピタルゲイン(売却益)があり、そうした物件に出会えたらラッキー。
安定した収入をインカムゲインで得て、最後売却してキャピタルゲインを得る。
キャピタルゲインをねらう秘密の方法、実はあるんです。とても単純なことですが、「不動産市場が落ち込んでいる時期に買えばいい」のです。世界一やさしい 不動産投資の教科書 1年生
安い時に買って高い時に売る。
最近の不動産市場が落ち込んだ時期が、平成バブルが崩壊した2003年頃とリーマンショックが起きたあとの2009~2012年頃だそう。
市場が落ち込むと、不動産会社の資金繰りが悪くなるので物件を購入することができなくなったり、在庫を抱えた開発業者が建築できなくなったりで、建築業者が倒産する。
そんな時業者は物件を損切。
不良債権を処理したい銀行も大量に物件を売却するので、個人投資家がキャピタルゲインをねらえる物件を手に入れるチャンスだそう。
勝ち組大家になるには、「こうした時期が来るのをきちんと待てる」「時期が来るまでしっかりと不動産について勉強できること」が必要だそう。
(一番大事なのは、「物件を手に入れる資金を貯めておく」もしくは「ローンができる身分になっておく」。)
あと、成功している大家さんの本に書かれている購入方法を鵜呑みにしてはいけないそう。
成功している大家さんのほとんどが購入時期がよかったので、どんな手法でも利益が出せたとのこと。
不動産にかかるコスト
- 仲介手数料
- 印紙代
- 不動産登録免許税
- 不動産登記手数料
- 固定資産税
- 不動産取得税
- 火災保険などの保険料
契約時には、物件購入価格+1割ぐらい余分にかかると覚えておくとよいそう。
毎年かかるコストと毎月かかるコスト
毎年かかるコストが
- 固定資産税などの税金
- 火災保険料
毎月かかるコストが
- 管理費
- 修繕積立金
- PM(プロパティマネジメント)フィー(賃貸物件の管理費)
入居者が退去したときにかかるコストが
- 入替時のリフォーム費用
- テナント募集費
交渉次第で抑えることができるもの、自分でやって抑えることができるもの、築年数でも違ってくるそうだ。
管理人は人手不足のようで、今後は管理費は値上がり傾向になるかもしれない。
成功するためのステップ
不動産投資で失敗する大きな原因が、自分の身の丈以上の投資をすることだ。
初心者はすべてを学ぶ気持ちで小さな物件からはじめる
一連の手順を経験し、あれこれ十分に学んだあとで大きな物件を取得する段階に進むことが成功の一番の近道だそう。
そして初心者は管理が楽な区分所有マンション(1Kやワンルーム)を現金で購入することを著者の浅井さんは薦めている。
現金で購入すると、「入居者が決まらない」「ローンが払えない」「売却の時期を選べない」などの失敗要因がなくなるそうだ。
300万円程度の現金があればリスクの低い不動産投資ができるとのことなので、不動産投資に興味のある人はまずは300万円をためることから始めましょうとのこと。
そして表面利回りは12%以上を狙うだそうだ。
不動産投資はコストがかかるので、実質利回りは2~4%前後小さくなるんだとか。
- 表面利回り(グロス利回り):年間家賃÷不動産価格
- 実質利回り(ネット利回り):(年間家賃-管理費などの経費)÷不動産価格
5年後を意識する
物件を所有して5年が過ぎたら売却益の税率が変わるため、売却も視野に入れておくとのこと。
所有期間5年以下の税率は39.63%、5年を超えるものは20.315%。
これは投資用でも自宅用でも変わらないそうだが、結構大きな差。
不動産投資に関するおススメサイト
・全国の空室率、想定利回りがわかるサイト。→LIFULL HOME'S 不動産投資 > 見える!賃貸経営
・投資物件の検索ができるサイト。→楽街
・有名な事故物件検索サイト。→大島てる
・再開発エリアのマンション一覧。→再開発エリアマンションの分譲実績会社一覧
・商業施設のオープン予定カレンダー。→2018〜2022年商業施設オープン予定カレンダ
B級地域をねらう
筆者の浅井さんは
をB級地域と呼んでいる。
人気のあるエリアは賃料を高くすることも可能だが、その分物件価格も上がる。
そのため表面利回りが低くなりがち。
調べたところ全国の想定利回りが7.6%のとき、人気の東京港区の利回りは4.6%。
(そのかわり賃貸用住宅の全国の空室率が19.0%のとき、港区は13.9%。)
B級地域を狙えば人気エリアの物件より購入価格を抑えることができ、(人気エリアより)賃料が低くても表面利回りの高い物件を手にすることもできる。
大規模修繕工事
修繕工事履歴を確認し、いつ大規模修繕が行われ、次回いつ行われるかにも注意した方が良いとのこと。
大規模修繕工事は、新築後10~12年後に第1回の修繕が行われる。
(主に外壁回収工事が中心)
その後24~30年程度経ったときに第2回目の修繕が行われる。
(外壁のほかに屋根、設備の修繕工事が行われる)
理想は大規模修繕工事をしたばかりのマンションを購入することだそう。
ちなみに鉄筋コンクリートマンションの寿命は、理論的には100年以上もつと言われているそうだが、実際には60年程度の寿命だそう。
まとめ
この本は上記以外に、不動産投資の全体の流れやメリット・デメリットがわかりやすく書かれてあった。
(経費の削減の仕方、管理会社を決めるポイント、家賃の上げ方、不動産の査定の仕方、契約の際のポイントなどなど。)
実際に自分が(現物)不動産投資をやる可能性はゼロに近いが、勉強になった。