ダーリンは70歳 (コミックス単行本)を読んだ。
以前女の子へ「寿司と指輪は自分で買おう」の記事を読んで、いつか西原さんの本を読んでみたいと思っていた。
ダーリンは70歳
美容整形界の第一人者で高須クリニック院長である、高須克弥氏・70歳。そしてコミック界の最終兵器、西原理恵子氏・50歳。二人合わせて120歳の熟年バカップル漫画。いくつになっても愛と人生を語り続けます!
ダライ・ラマ氏に手をつないでもらう
高須院長は奥さん、お母さん、犬を亡くして何年か前に出家をしたそう。
その時に「お金も身体もしょせんこの世の借り物」だと思い、生きているうちに全部返すと決めたそうだ。
そして西原さんと二人でエジプト旅行に行った際、アメンホテプ三世が自分のためだけに建てた葬祭殿のあるルクソール神殿に立ち寄り、「これだ」と思ったそう。
それから日本に帰国して高須克弥記念財団とかっちゃん基金を設立し、西原さんはその理事になる。
高須院長は世界中にお金を撒きに行くので西原さんにも同行を求め、後世に大偉人として描き伝えるよう依頼します。
(財団の理事長の指示理由らしい。)
そしてチベットの学校をめぐって寄付をし、ダライ・ラマ猊下と謁見した際に手をつないでもらった西原さんの心の声が
自分仏教のやっちゃいけないことほぼ全部やっちゃってるんでなんかもう申し訳ない感メガ盛り
おもしろすぎ(笑)
例の件も
高須院長は手術で四六時中女性の体を見ているので、診察以外では極力人と会いたくないのだそう。
しかしあれやこれやと枕営業をかけられて困るんだそう。
全部断っていたところ、芸能事務所が連れてきた子が西原さんに似ている19歳の女の子。(おそらく清水富美加ちゃん。)
西原さんが50歳だから、同じモノならこちらの新車の方が良くありませんかと薦めてくる。
何かの時のバックアップ用にとっておいても損はないかもとも言ってくる。
なんてアホな世界なんだろう。
<西原さん>あの19歳の私そっくりの女の子ってさ、私なんじゃない?今からかっちゃんがあの子とつきあっていろんな所で助けてあげれば、私19歳からのいろんなつらい思いしなくてすむんじゃない? <高須院長>助けない。お父さんが首吊って泣いててもギャンブルにはまっててもダンナがアル中で泣いてても助けない。その全部があって今のあなたがここにいるからね。 <西原さん>ヴィンテージカーだよ。 <高須院長>キズはそれが値うち。バタフライエフェクトはないよ。
読みながら涙が出た。
時間がもったいない
50歳と70歳のカップルの喧嘩の仲直りの仕方が可愛い。
西原さんが怒っていても、高須院長はなんで怒っているかわからない。
そんなときに言った高須院長の言葉が、
わからないんだよ。教えて、なおすから。ボク70なんだよ。もうあんまり長く生きられないかもしれない。時間がもったいないんだよ。ボクはキミの笑顔が好きなんだ。笑ってくれないかなあ?
泣けるなぁ。
高須帝国の逆襲
サイバラvs高須院長!熟年恋愛を赤裸々に描いた大人気作品「ダーリンは70歳」のスピンオフ本です。破天荒なマンガの内容は真実なのか?西原さんの脚色ではないのか?高須克弥院長のロングインタビュー本が、巨大な資金をバックに襲来します。そして西原さんの描き下ろしマンガ「りえくまちゃんとぼく」も収録。感涙の傑作です!
こちらは高須院長側から書いたスピンオフ本。
一時は絶版にもなったようだが、今はAmazonKindleで読める。
高須院長は奥さんやお母さん、犬を同時期に亡くしてしまい、鬱状態になったそうだ。
そんなときに外に連れ出してくれたのが西原さん。
育った環境から思想、あらゆるものが正反対のお二人だが、お二人の本を読んでいるとお似合いのカップルだと思う。
規格外の美を受け入れることが出来た人が一番美しい
平均点が高い人間を集めるより、規格外の人間を集めた方がアベレージはずっと高くなる。もっと言うなら、自分では欠点だと思ってきた「規格外の美」を魅力として受け入れることができたら、その人はもう、とびきりの美人なんだと思います。
なるほどなぁ。
人は欠損に恋をする
重ねてきた傷やささくれを魅力だと思えるには、経験値が要る。僕が「人は、欠損に恋をする」というのは、そういうわけだ。欠けているところに、何を見るのか。正解はない。
高須院長は、西原さんのことを「僕が幸せにしてあげた」わけじゃないと言っていて、彼女自身が「幸せだ」と思える今をつくってきたのだと理解している。
凄くいい考え方。
いいところも悪いところもひっくるめて自分の人生を自分で肯定できるようになった二人だから面白いんだそう。
年齢を重ねたカップルの恋愛は、若い頃のような刺激やトキメキはないかもしれないけど、それはそれでいいなと思った。
ちゃんと結婚なんかしたら、自分たち以外の、いろんなことでがんじがらめにされちゃうし、僕も、サイバラも、そういうのはもう要らない。
お二人の著書は続編もあるみたいなので、いつか読んでみよう。