株・不動産 知識ゼロからの金儲け―国家破産時代の暮らしの経済学を読んだ。
不動産を買う、運用する
家を買うなら、建てるなら
不動産を買う。これも「お金の勉強」です。しかも、株を買うのとは比較にならないほどに大切な勉強です。なぜなら、一生に一度の大きな買い物だからです。
不動産は株式のように流通性が高くないので、簡単には買えない分、お金の勉強にはなりそうだ。
物件の価格の見方
物件の価格が適正かどうか探る方法は三つあるそう。
一つは「取引事例比較法」と言って、調べたい物件と似たような、もしくは近所になる物件の取引価格を参考にする方法。
もう一つが「収益還元法」と言い、仮にその物件に家賃を払うとしたら、いくらが適正なのかというところから出す方法。
これは住宅情報サイトなどで、自分が住みたいと思うマンションをピックアップして家賃額をリストアップする。
【住みたい部屋の家賃×12÷0.05=物件の価格】
この計算式にある12は毎年の家賃、0.05は利回り5%という意味。
ちなみに以前読んだ世界一やさしい不動産投資の教科書1年生では、投資として運用するには、12%の利回りを薦めてあった。
他には「原価法」があり、これは【再調達原価(今と同じものを入手するのにかかる費用)―減価修正(消耗した分)】により算出する。
通常はこの三つを勘案して価格鑑定を行うんだそう。
不動産を買う場合に気をつけること
不動産を買う場合に必ず気をつけて欲しいことがあります。それは冷静に判断しましょう、ということです。これは鉄則だと肝に銘じてください。不動産購入に対する夢があまりにも大きくなってしまうと、少々の粗があっても我慢してしまう。粗が見えないように自分自身を納得させてしまうことがあるのです。
賃貸なら引っ越せばいいだけだが、購入したら売れるまでは我慢しなければならない。
しかも売れたとしても、希望価格である保証はない。
気に入った物件があったら、まずは足を運んでみること。それも、平日、日曜日、昼、夜、晴れの日、雨の日、最低6回。できれば夏、冬、さらに二回。そして、大切なのは近所に住んでいる人に、情報を聞くこと。
昼だけでなく夜も行ってみるというのはよく聞く話だが、紳助さんの調査は徹底している。
本業(お笑い芸人)で忙しかったであろうに、凄いエネルギーだ。
ご家庭のある方は、毎週お休みの日にチラシを見て、そのチラシを場所ごとにファイリングし、自分なりの価格リストをつくってみると、いろいろなものが見えてくる。たとえば、新聞広告に入っているたくさんの不動産のチラシを物件ごと切り分け、自分が住みたい場所をリストアップし「〇〇市」「××市」「△△市」と場所別にまとめてみる。さらに、マンション、一戸建て、新築、中古などに分けておけば、次に物件を見に行っても、それが高いのか、安いのかが一目でわかる。そんなことまで、と思う方もいるかもしれないが、一生に一度か二度の大切なこと。
自分はこの本を読んで、以前住んで気に入った街の不動産情報を毎日チェックして、気になる物件をエクセルにリストアップしている。
実際に購入する可能性はかなり低いが、相場観を養う意味でも年単位で見続けてみようと思う。
競売で物件を入手する
現在の競売で裁判所に来ている人のうち90%はプロです。ですから素人であれば、それなりの準備が必要です。十分な知識を身につけて準備をするのは当然です。たとえば個人で入札するのではなく、信頼できる専門の業者にアドバイスを受けながら、代行してもらうといったことは基本です。
この本が出版されたのが2000年なので、多少情報は変わっているが、素人が手を出すのは大変危険と感じた。
紳助さんは大阪で仕事があり、時間が空いた場合は必ず裁判所の閲覧所に通ったそうだ。
競売物件の資料を読み漁り、気になる物件の資料はコピーをとって実際に見に行ったんだとか。
閲覧室で出物の競売物件はないか台帳をめくるときが、ぼくにとって至福のひととき。
不動産もお金の勉強も人生の幸福のため
咬まないはずのトラはいつ咬んでもおかしくありません。だから、今、ヘッジをかけることが本当に大事です。それが自分の幸福のためのお金の勉強です。最近は、株が上がってきていて、本もいろいろ出ています。でも、お金を儲けることばかりに汲々としてノイローゼになってしまっては元も子もありません。今、生きることを楽しむために、ぼくは勉強をしたいと思います。気持ちの豊かさを忘れてはいけないと思います。
現在の紳助さんは芸能界を引退され、ゴルフや草野球、旅行を楽しんでいるそう。
仕事を辞めて今が本当に幸せとのことなので、芸能界への復帰はなさそうだ。
そして一番意外だったのが、現在は収入はゼロで貯金だけで過ごしていることだ。
てっきり不動産の家賃収入があると思っていた。
紳助さんはしゃべりもおもしろいが、本もおもしろくて勉強になった。
買って良かった本の一つだ。