人間は逆境に陥り、苦難と向き合うとき、どのように立ち向かうのか。
Facebookの最高執行責任者であるシェリル・サンドバーグは愛する夫を亡くし、人生のどん底に突き落とされる。
そんな彼女が友人であるペンシルべニア大学の心理学者アダム・グラントと書いた本が「OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び」だ。
この本を読んで、人間の回復する力(レジリエンス)について考えてみた。
人間が回復する過程
ネガティブな影響は過大に見積もられるもの
苦しみの渦中にいると、永遠に続くような気がする。
しかし人間は「苦しみが永遠に続くように感じる生き物」だとわかれば、気楽に構えることができる。
私は父を亡くしたとき、一生立ち直れないと思ったが、時間が癒してくれた。
自分を苦しめている考えを書きだす
認知行動も試してみた。自分を苦しめている考えを紙に書き出し、次に、その考えが誤っていることを示す具体的な根拠を書く、というものだ。
何が自分を不安にさせ、苦しめるのか認識する。
そしてその不安は自分を苦しめるに値する不安なのか考えてみる。
何となくぼんやり考えるより、書き出してみるとよい。
感謝する
この本を読んで「感謝できること」を書き出してみたが、改めて自分は恵まれている環境にいると思い感謝した。
自分の状況をコントロールする
レジリエントな子どもには、共通点があった。自分の人生をコントロールしているという強い感覚をもっていたのである。自分の運命を支配するのは自分だと信じ、ネガティブなできごとを脅威ではなく、挑戦や好機ととらえていた。
ストレスに関する実験で、ランダムな間隔で不快な騒音を参加者に聞かせて、集中力が求められるパズルなどの課題に取り組んでもらったところ、参加者はイライラしてミスを連発する結果が出た。
しかし騒音が不快になったらボタンを押して音を止められると教えたところ、参加者は冷静を保ち、いらだちを見せることも少なくなってミスが少なくなったそうだ。
そして驚くべきなのは、実際にボタンを押した参加者は、ただのひとりもいなかったそう。
騒音が止めたからストレスが減ったのではなく、騒音を止められるという意識が違いをもたらしたそうだ。
「自分の状況をコントロールできる」という意識は、ストレスに大きく関係しているようだ。
うまくいったことを書き出す
最近の研究では、「本当にうまくいったこと」とその理由を毎日5分から10分間かけて書き出した人は、3週間以内にストレスレベルが低下し、心身の不調も改善した。
小さな一歩に集中する
完璧を目指さなくていい。いつもいつも自分を信じなくていい。いまは少し、次はもう少し貢献できると信じればそれでいいのだと。この「一歩ずつの前進」の効果を思い知ったのは、生まれてはじめてスキーに行った、16歳のときのことだ。
続けることが大事で、そしてそれが一番難しい。