「99%の会社はいらない」と同じく、この本も面白くて一気に読了した。
この本は、幼い頃のホリエモンがどのように育ったか、逮捕される前や保釈後の生活、拘束されている時の心境などが語られている。
何年か前に参加した飲み会で、ホリエモンがいた頃のライブドアで働いたことがある男の人と話す機会があった。
ライブドア時代の話もしてくれたが、ホリエモンに対しての恨み言は一切なく、ホリエモンには同情しているようなことを話していたと記憶している。
そしてこの本を読んで初めて知ったのだが、ホリエモンは広島から出馬していた。
選挙に出たことはぼんやり記憶にあるのだが、てっきり東京でのことだと思っていた。
そして保釈してから大きな助けとなったのが、ライブドアとは関係なく仲良くしてくれた幾人かの友人と、広島で知り合った選挙のボランティアスタッフだったそうだ。
(保釈中はライブドア関係者との接触が禁止されていたそうだ。)
当時の私はテレビに出た際のホリエモンの言動や、マスコミのバッシング報道で、あまり良い印象を持つことができなかった。
ホリエモンは著書の中で、
ただしこうして振り返ってみて、ひとつだけ大きな反省点を挙げるとするなら、これまでの僕は「自分をわかってもらうこと」にまるで関心を払ってこなかった。誤解を誤解のまま放置し、とにかく目に見える結果を出すことだけに集中してきた。
とあり、納得した。
今まで食わず嫌いなところもあったが、本を読んで人となりや考え方がわかってからは、以前抱いていた悪いイメージはなくなった。
ゼロの自分にイチを足す
物事の出発点は「掛け算」ではなく、必ず「足し算」でなければならない。まずはゼロとしての自分に、小さなイチを足す。小さく地道な一歩を踏み出す。ほんとうの成功とは、そこからはじまるのだ。
いきなり「掛け算」でスタートはできない。
ゼロに掛け算してもゼロ。
まずは小さく積み重ねないとね。
没頭する
じゃあ、どうすれば没頭することができるのか?僕の経験から言えるのは、「自分の手でルールをつくること」である。(中略)ルールづくりのポイントは、とにかく「遠くを見ないこと」に尽きる。(中略)人は、本質的に怠け者だ。長期的で大きな目標を掲げると、迷いや気のゆるみが生じて、うまく没頭できなくなる。
結果を出すには、やはり一日一日小さな目標を達成していくしかない。
「没頭しろ」と言われても、具体的にどうすればよいかわからなくなるが、「一日で達成できそうな目標を掲げてこなす」と考えると、怠け者の私でもできそうな気がする。
自分を信じる
それでも、ひとりだけ確実にあなたのことを信用してくれる相手がいる。「自分」だ。そして自分に寄せる強固な信用のことを、「自信」という。
誰にも期待されなくても、自分だけはずっと自分の味方でいようと思う。
死の恐怖
この本を読んで一番意外だったのが、ホリエモンが死ぬことについて発作に襲われるほどの恐怖を抱えていたことだ。
(中高時代から定期的に発作のように頭を抱えてうなり声を上げていたそうだ。)
以前無敵の思考 ――誰でもトクする人になれるコスパ最強のルール21を読んだ際、「ホリエモンはまず自分は死なないと思って生きている」といようなことをひろゆき氏が語っていた。
ユニークな発想だと思ったが、根底には「死に対する恐怖」があったのだと腑に落ちた。
刑務所から出所して自由の身となってからは、与えられた生を充実させる手段は無限にあるので、死の恐怖から悩まされることはなくなったそうだ。
この本を読んで、とても勇気づけられた。