今年も圧倒的強さでリーグ優勝した広島東洋カープ。
もちろんクライマックスを勝ち進んで、日本シリーズに進出するものだと思っていた。
それがまさかの下克上。
2位とは10ゲーム差以上突き放し、圧倒的強さでペナントを制覇したはずのチームとは思えない試合内容。
私は運良く第四戦のチケットを友人から譲り受け、寒空の中、声を張り上げ応援した。
しかし応援も虚しく、カープは負けてしまった。
クライマックスの制度(アドバンテージの付け方、試合日程あきすぎ)、コーチ2人が一緒に同一リーグ・同一チームへの移籍(せめてシーズンが終わってからの発表にしてほしかった)、シーズンとは打って変わって全くかみ合わない選手のプレー、もう何だかモヤモヤが止まらないので、前から読みたかった為末さんの負けを生かす技術 (朝日文庫)を読んだ。
読み始めると、カープへのモヤモヤは消えていた。
為末さんの考え方は、共感する部分や参考になることが多い。
「常に勝ち続けることはない。」
「人も万物も常に変わり続けるのだから安定などない。」
「無理に安定しようとし過ぎると、かえってパフォーマンスが低下する。」
「ほどよく自分も変わり続けて、ほどよく流されることが、結果的に安定につながる。」
「精神は揺れるもので、揺れざるを得ないのだから、揺れることを受け入れる。」
「人間はバランスをとる生き物なのだから、常に「ハイ」状態ではいられない。」
「負けも起こり得ることと認めることが重要で、本当の負けは、負けた状況を分析・改善しないことをいう。」
他にもスランプやピンチの捉え方、他者からの助言を受け取るスタンス、決断や選択、努力と成果はバランスしないなど、参考になる考え方がいくつもあった。
まさに走る「哲学者」だ。