体を整える ツキを呼ぶカラダづかいを読んだ。
力を抜く
力を抜くことで出てくる力には、通常の力を出すのに要る、ある距離も速度もないところで筋力による力を越えたエネルギーは生まれるのである。
体に意識を向けると、人は普段の生活の中で、自分が思ってもいないような部分に力を入れていることがわかる。
パソコンを使うと肩に力が入っていたり、ベッドで横になって休んでいるつもりが、体のどこか一部分に力が入っていたり。
最近の私は、極力その力を抜くようにしている。
私はシャンプーをするとき歯を食いしばるクセがある。
ある時、それが原因で歯が知覚過敏のように痛くなることに気がついた。
それから歯を食いしばっていると気づくと、すぐに上と下の歯を離すようにしている。
すると痛むこともなくなった。
この話を友人にしたところ、その友人も無意識に力いっぱい歯を食いしばって寝るクセがあると告白してきた。
食いしばり過ぎて口の中の骨がぽこっと出てしまったと言って、ぽこっと出た骨を見せてくれた。
今は歯医者でマウスピースを作って、寝る時はマウスピースをして防いでいるそうだ。
体に力を入れるということは、どこかに弊害が出ることもあるのだ。
蹴りを入れるときに、相手を蹴ろうと思って蹴るのと、「一口食べる」という微妙な感覚を入れて蹴るのとでは、まったく衝撃が違う。蹴ろうという目的意識を持ってすれば、どうしてもカラダに力が入ってしまう。また蹴ろうという予備動作が蹴る前に微妙に起きるので相手に気づかれる。ところが、「一口食べる」という感覚を瞬間持つと、カラダから無駄な力が抜け、蹴り上げる足がしなやかなムチのようになるのである。
格闘技を見ていると、鋭いパンチや力強い蹴りは、力を込めれば込めるほど威力があると思っていた。
私は趣味でキックボクササイズをやっているが、この本を読んで力を抜いてやるようにしている。
すると今までより全身を使っている感じが増した。
と言っても簡単に力を抜くことはできないので、私の場合「歯を食いしばらないようにする」「肩の力を抜く」など試行錯誤しながら今のところやっている。
目的主義に陥ると続かない
「ここはこうすればいいかな」とか、「こうすれば、おもしろくなるな」といった感じで、努力というより工夫することをあれこれやっていた気がする。「技術を磨いてうまくなろう」とか「こういう記録を出してやろう」とか、プロであれば「もっと金を稼いでやろう」、「有名になりたい」といった結果ばかりに気持ちが走った目的意識の強い人は、自分が願うだけの見返りはまず返ってこない。
桜井氏は、過去に日本女子卓球の平野早矢香選手にアドバイスを求められたことがあるそうだ。
平野選手は「練習量は誰にも負けない、だからもっとうまくなっていいはずだ」と思いながら練習に励んだそうだが、桜井氏はそんな平野選手に、「それじゃストーカーだよ。卓球から愛してもらうようにならないと……」と言ったそうだ。
平野選手に限らず、大抵の人間は「これだけ頑張ったのだから、これだけの見返りはほしい」と思うものだ。
しかしこの考えも、行き過ぎるとただのストーカーになってしまう。
自己中心的過ぎると、結果も遠のく。
何事もバランスが大事だ。