楽に生きるのも、楽じゃない

楽に生きるのも、楽じゃない (文春文庫)を読んだ。

この本の表紙とタイトル、後からじわじわくる笑いで私のツボにはまった。

本はAmazonKindleで購入することが多いが、その際はサンプルをみて購入するかどうかを決める。

しかし今回は例外で、サンプルを確認することなく買ってしまった。

たとえ内容が面白くなくても、この表紙とタイトルだけで満足だった。

意外とブラック

春風亭昇太さんについては、(失礼ながら)タイガーアンドドラゴンのどん吉か笑点の司会というくらいしか存じ上げない。

「どうも初めまして」という気持ちで読みだすと、穏やかそうな見た目と裏腹に、意外とブラックな方だとわかった。(嫌いじゃない。)

翻訳本につきものの回りくどい、スキッとしない文章に遭遇する。これだから外国で出版されたものは嫌なんだよと思いつつも読んでいると

わかる!わかる!

この回りくどい表現、もう少し短くなんないかな~と思う。

「結論だけ簡潔に言えませんかね?」とたまに毒づきながら読む。

この本が最初に出版されたのが1998年。

今回私が購入したのは3度目の再刊行(2016年)ヴァージョン。

3回目のあとがきに

まぁ読んでいて、この頃って結構ブラックな事も書いてるな。なんて思うのは、僕が少しは大人になったってことでしょうか。

と書いており、この本の中でママさんコーラスをディスったことを謝罪している。

(自分は過去に合唱部の助っ人として合唱コンクールに出たことがあるとも明かしているw)

飯テロ…

昇太さんは料理もされるが、その描写は私の食欲をうまいことたきつける。

私は寝る前にベッドに入って読んでいたが、雪見鍋の話では湯豆腐が食べたくなり、翌朝豆腐を温めて食べた。

機嫌良く生きる

僕が生活するうえで基盤にしている考えは、いかに機嫌良く生きるかということに他なりません。明日、死んでしまうかわからないのに、怒ったり、悲しんだりしている時間は、あまりにもったいないと感じてしまうのです。

おっしゃる通り。

昇太さんは、人間なんで怒りや悲しみも当然あるけど、その時間をいかに短く精神的にコントロールできるかが勝負だと思っていると語っている。

表紙とタイトルだけで購入した本だが、面白い本(人)だった。