AmazonプライムのPrime Japan日本のこころに出会うを見た。
今回は『禅』の特集を見たのだけど、これを見て『禅』のことをもっと知りたくなった。
静と動の考え方
自分と向き合う修行が座禅。
自分がどういう人間か見つめる悟りの世界。
まさに「静」の世界。
しかし禅ではそういった「静」の修行だけでなく、「動」の修行も行われる。
禅の世界では、日々の掃除も「動」の修行の一環だそうだ。
人間は「静」と「動」両方の世界で生きているため、バランスを取ることが大事とされている。
日々の雑事ですら修行と捉え、一つ一つ丁寧に行う。
何気ない日常の断片を大事にしてこそ、日々は輝きを放つのです。
私にとっては本を読むこととブログを書くことが「静」で、家を掃除することが「動」の修行。
日々の何気ない行いも、禅の修行と思ってやったらなんだか楽しい(笑)
わびとさびの世界
禅というと、よく「わびさび」という言葉を聞く。
辞書で調べると、「わび」は「茶道・俳諧などにおける美的理念の一つで、簡素の中に見いだされる清澄・閑寂な趣。または閑寂な生活を楽しむこと。」とある。
一方「さび」は「古びて味わいのあること。枯れた渋い趣。」
「わび、さび、わさび?」
なんてくだらない冗談はさて置き、辞書の解説では今一つ理解できなかったので、もう少し調べてみたところ、面白いサイトを見つけた。
こちらのサイトではアメリカの編集者レナード・コーレン氏の著書Wabi-Sabi わびさびを読み解く for Artists, Designers, Poets & Philosophersが紹介されており、「さび」は「表面的」なことであるのに対し「わび」は「内省的」なこととあった。
レナード氏は「モダニズム」と「わびさび」を比較していた。
論理的、合理的。大量生産。未来志向。テクノロジーを美化。人口素材。鋭く正確で一定。行き届いた管理。恒久的。
わびさび
直感の世界。一点もの。即今思考。自然を美化。天然素材。ソフトで曖昧。劣化や消耗を受け入れる。あらゆるものに季節感がある。
比較すると理解しやすい。
今は圧倒的に「モダニズム」の時代だけど、私は「わびさび」の世界も大事にしたい。
時代と逆行しようとも、私は「わびさび」に少しずつ重きを置いていく。
今目の前にあることに集中する
お茶や禅の世界の「今目の前にあることに集中する」という考え方に、今更ながら共感している。
森下典子さんの「日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫)」の
「さあ、気持ちを切り替えるのよ。今、目の前にあることをしなさい。『今』に気持ちを集中するの」
の一文を読んだとき、私はハッとした。
まるで自分に言われたような気がした。
私はまず常に携帯していたスマホを(何かしているときは)自分の見えない所に置くようにした。
(それだけで本を読むのが早くなった。)
そして目の前の一つ一つの作業に集中するよう意識を向けると、「本を読んでいるのに」「ご飯を食べているのに」「テレビを見ているのに」、実は全く別のことを考えている自分に気がついた。
「今目の前にあることに集中する」とは「今を生きる」ということだ。
執着しない生き方
執着しないで生きるというのはとても難しいけど、人からどう見られるかとか、誰かより劣っているとか優れているとか、お金をたくさん持っているとか持っていないとか、そういったことは求め出したらキリがないし、永遠に満たされることはない。
これからの人生、欲や執着に支配されて生きるなんて私はイヤだ。
だって、とても疲れるんだもの。
日々どんなことが起ころうが、ただ目の前のことに集中して精一杯楽しんで生きる。
人生はその積み重ねでしかない。
まさに「日日是好日」。
この言葉について考えるたびに、私は目から鱗が落ちる。