梅原大吾さんの「勝ち続ける意志力」

私が梅原さんの存在を初めて知ったのは、去年たまたま見たNHKドキュメンタリー - BS1スペシャル「サムライゲーマー~賞金5億円 世界に挑む若者たち~」という番組だ。

この番組は、昨年の9月に行われたオンラインゲームの世界大会の模様や日本や海外のチームに密着した様子を放送していたが、私が一番印象に残ったのが番組の途中に出た梅原さんのシーンだった。

おそらく数分しか出ていなかったと思うけど、彼のインタビューに応える感じや大会に出向いてゲームをしている姿のどこか悟ったような静かな佇まい(会場の盛り上がる雰囲気と正反対)に心惹かれた。

おもしろそうな人だと思って調べてみると、何冊か本を出されていた。

今回は勝ち続ける意志力 (小学館101新書)を読んでみることにした。

17歳にして世界一になった。2010年8月、「最も長く賞金を稼いでいるプロ・ゲーマー」としてギネス・ワールドレコードに認定された。職業、プロ格闘ゲーマー―。これから僕は、「世界一になって」、そして「世界一であり続けることによってしか見えなかったこと」について話をしたいと思う。それは「勝つために必要なことは何か?」「なぜ多くの人は勝ち続けることができないのか?」という話だ。いわば「世界一になり、世界一であり続けるための仕事術」とも言えるかと思う。その技術は、ゲームの世界ではもちろんのこと、それ以外の世界でも必ずや、前進のためのお役に立てるだろう。

自分の頭で考えることをやめない

とにかく、考えることをやめなければ出口は見つかる。「ん?ちょっと待てよ、この考えは上手くいくかもしれない」そんな閃きの瞬間が訪れるのだ。そうやって深く考える癖をつけておくと、考えることが日常になり、人よりも物事を深く考えられるようになる。

梅原さんは子供の頃からよく本を読み、よく考えたそうだ。 

先生はどこにでもいる。自分自身に学ぼうとする意欲がある限り、どんな人、どんな本、どんな言葉からでも学びを得ることはできる。

 失敗する

失敗をせずに前進できることなんてほとんど稀だった。何かを恐れ、回避し、ごまかしながら前進したとしても、上に行こうとすれば、ほとんどの場合回避したはずの壁に結局ぶち当たらざるを得ない。ぶち当たるというか、その壁を越えなければ結局上に行けないような仕組みになっているのだと僕は感じている。だとしたら、自ら足を踏み出し、どんどん失敗していった方が、よっぽど効果的だし、より高い場所へと行ける道だと考えている。 

どんな理論や本を読んでも、結局は自分でやらないと自分のモノにはならない。

だから私は興味があることは、とりあえず一回やってみる。

たとえ失敗したり、恥をかいたり、辛い思いをしても、 次の道につながると思っている。

専門的な知識を要することは人に相談することもあるが、そうでない場合は誰かに相談もしないし、とりあえずやった方がいろいろ早いと思う。

失敗から学べること、失敗からしか学べないことがあることは知っておいた方がいい。どん底から立ち直った人間は、顔つきが違う。

人の目を気にしない

よく人に「ウメはゲームやってるとき、完全に無表情だよなー」と言われることがある。ぜひプレイ動画などを見てほしいが、確かに悟りを開いたかのように無表情だと思う。それは、人の目を気にしていない証拠であり、完全に集中していることの体現でもあると思う。

私がテレビで悟ったような表情に見えた理由はこれだったのか~。

大きな目標は立てずに目の前のできることに集中する

無理をせず、背伸びもせず、毎日毎日、自分にできる範囲の精一杯を繰り返していく。そんな単調になってしまうかもしれない毎日だからこそ、自分を変化させることを怠らず、小さくてもその変化を心から楽しみ、一日一日を味わい深く噛み締める。だから、「このときまでに何かをしなきゃいけない」なんて目標は立てない。ただ、目の前のことに集中して粛々と歩んでいく。

結果(=他人からの評価)を気にするのか、過程を楽しめるか(=自分)の違い。 

自分にとっての適量を考えるなら、「その努力は10年続けられるものなのか?」自問自答してみるのがいい。

目的主義に陥ると続かない。

矛盾するようだが、結果に固執しないと結果が伴う。実体験として持っているので、そのことはよく分かっている。

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本当の目的は自分自身の成長

だから、あえて暗くて険しい道を行く。血のにじむような努力をして無敵の強さを手に入れても、すぐにそれを手放さなければいけない。そのことが分かっているのに頑張れる。快感を味わうのはほんの一瞬だが、それでも暗闇が晴れたときの自分の姿を想像するだけで前途洋々だ。

勝負の世界で戦う人間が自分の頭で考え抜いた哲学は、やっぱりおもしろい。

 


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