丸岡いずみさんの「仕事休んでうつ地獄に行ってきた」を読んだ

丸岡いずみさんがうつ病で仕事をお休みすると発表したのが6,7年前のこと。

当時の私は丸岡さんについては可愛い方だなという印象くらいしかなく、仕事が忙しくて余裕もなかったので、ただの1つのニュースとして自分の中を通り過ぎていった。

それから時は過ぎ、先日「丸岡いずみロシアで代理母出産」というニュースが飛び込んできた。

そのことが頭の中に残っていたせいか、AmazonKindleで読む本を探していた私の目に

仕事休んでうつ地獄に行ってきたが留まった。

うつ病は「心の病気」という誤解

うつ病は「脳の病気」なので、誰にでもなる可能性はあるのだと思います。当時はまだ、うつは単なる「心の病気」だと勘違いしていたのです。

この本を読むまで、私もうつ病は「心の病気」だと勘違いをしていた。

(「前の会社に心の病気の人が何人かいて」などとこのブログに書いたこともある。)

今までの生き方全体を考えたら、ある一定期間だけを切り取って、そのせいでうつ病になったというよりは、もっと全体を見たほうがいいのかなと、今は思えます。

私の父は20年前に自殺をしたのだけど、当時の私と母はこの世に「うつ病」という病があるとは知る由もなかった。

父が亡くなったあと、母はうつ病や心の病に関するいろんな本を読み、私と母はたくさんたくさん話をした。

二人で父の日頃の言動や育った環境を振り返り、「お父さんは繊細過ぎて心の病気になっちゃったんだ」という答えを出した。

そうでもしないと、残された家族は前を向いて生きていくことができなかったから。

「どうして死んじゃったんだろう?」とか「どうして父のSOSに気づけなかったんだろう?」とか、たくさんの後悔と懺悔の地獄の日々から抜け出すことができなかったから。

父が亡くなって10年くらいは命日が近くなると体調が悪くなった。

今はそんなこともなくなり、「止まない雨はない」「どんなにつらいこともいつか終わりがくる」と思えるようになった。

なので「うつ病=負け犬」という偏見はないのだけど、「うつ病=繊細な人や弱い人がなる心の病」という認識は持っていた。

それが大きな誤解であると、この本を読んで分かった。

丸岡さん自身、自分のことは「快活で明るい人」「うつ病とは一切無関係の人間」と思っていたと語っている。

うつ病は「心の病気」ではなく「脳の病気」なのだ。

「ストレスは、その人の性格にというより、体質の弱いところに作用します。同じようなストレスを受けても、うつ病にはならずに胃潰瘍や帯状疱疹になる人もいれば、がんになる人もいる。そういうふうに考えると分かりやすいでしょう」

うつ病の症状

「うつ病の症状は、日常的な憂鬱の延長線上にありますが、同じものではありません。うつ病の症状は、はるかに苦しく、はるかに強く、はるかに長く続きます。普通の感覚では想像できないほど悲観的な気持ちになって、追い詰められていくから大変なのですよ」

私は寒いのが苦手で、冬はテンションが上がらず憂鬱になる日もある。(冬季うつ?)

そういう時は大抵寝ることにしているが、うつ病の人はもっと苦しくて辛い思いを味わっているのかと思うと気の毒に思う。

憂鬱って、とてもつらい。

乗り越えようと思わない

(旦那様の有村崑さんに)「うつを乗り越えようと思わなくてもいいじゃないの。うつも個性のひとつでしょう」とも言ってくれました。すごくうれしかったです。幸せの基準は、人それぞれ。自分の心に正直に生きることなのですね。やっと気づきました。

もし自分がうつ病になることがあったら、その時はきちんと受け入れよう。

症状が出たらきちんと精神科に行って診断してもらって、きちんとお薬飲もう。

(もちろんならないに越したことはないのだけど。)

要らぬ偏見で自分を苦しめる必要はないのだとこの本に教えられた。

 

丸岡さんはご自身でニュース原稿を書かれていたこともあり、読みやすい文章だった。

東日本大震災の取材で過酷な現場を体験し、それがご自身のうつ病の大きな引き金になってしまったことなど、つらかった気持ちを淡々と語られていた。

うつ病についてよく分かる本だった。

丸岡いずみの人生第二章はまだ始まったばかり。これからは、できることなら子どもを授かり、育て新しい家族とともに新たな物語を紡いでいきたいと思います。 そして、その過程でまた生きることに疲れることがあるかもしれません。そんな時は立ち止まって、周囲の景色を眺めながら一息ついて、自分の疲れた「脳」をやさしく労わろうと思います。

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