【書評】『ぼくが猫の行動専門家になれた理由』を読んだ

ぼくが猫の行動専門家になれた理由 (フェニックスシリーズ)を読んだ。

この本には、アニマルプラネットで放送されている人気番組『猫ヘルパー(My Cat From Hell)』に出演しているジャクソンギャラクシーの半生と、猫のしつけのアドバイスが書かれている。

www.animalplanet.com

20代半ばの頃、私は箱根のとある神社にいた黒猫と出会って、猫という生き物に魅了された。

しかし当時の私は1人暮らし。

外に働きに出ていて、日中人がいない狭い部屋で猫を飼うことには少しためらいがあった。

なもんで当時は猫を飼っている人のツイッターを見たり、猫のまとめサイトを毎日チェックして、「いつか猫を飼おう!」と10年以上思い続けた。

そんな私が、今飼っている猫と運命の出会いを果したのは、今から2年半前のこと。

東京から広島の実家に戻って実家の畑に遊びに行くと、1匹の小さな三毛猫が畑に住み着いていた。

それから1年近く畑に通い、エサをあげて少しずつ仲良くなっていった。

そして1年半前に保護に成功して、今は家で一緒に暮らす仲になった。

猫のことはず~っと好きだったけど、どう育てればいいのかわからない。

ということでアニマルプラネットのチャンネルに加入し、『猫ヘルパー』の視聴を始めた。

それが私とジャクソンの最初の出会いだ。

最初ジャクソンを見た時は「ピアスに髭にタトゥーバリバリのこんなイカツイ人が本当に猫の専門家?」と驚いたが、番組を見て更に驚いたのが、そんなイカツイおじさんが、毎回様々な問題を解決していたことだ。

私がジャクソンに共感できるのは、「猫の立場に立って考える」ところだ。

人間と猫は種別が違うし言葉も通じない。

問題行動を起こす猫がどうして(人間にとって)問題を起こすのか(猫に代わって)教えてくれ、そしてそれを解決するための方法もわかりやすく教えてくれる。

私はジャクソンの番組から、「猫とお互い心地良く暮らすには人間の都合や勝手な解釈を押しつけるのではなく、猫の立場に立ってちゃんと考えることが大事」だと教わった。

matome.naver.jp

本にはドラッグにハマって荒れていた時のことや、保護施設で働いていた頃のこと、今の仕事にいきつくまでの苦労などが語られている。

保護施設での動物を安楽死させる話や、そこで働くスタッフの方の苦労話には心が痛んだ。

最悪なのは、殺処分を行う保護施設は大体において怠慢だという批判だ。僕が"残酷なロボット”呼ばわりされたように、現場の人間は毎日そんな悪口をぶつけられている。だが、そうだろうか?本当に? 保護施設で働く人たち全員を、冷酷だから動物を殺すのだと責められるのか? 現実の問題に対して自分は何の手も下さずに、「殺すな」と叫ぶだけの奴ら全員(幸い、数は減りつつあるが)に言いたい。「うせやがれ!」

一匹も殺さないと言って寄付を集め、目の見えない猫や年老いた犬を引き取ろうとしない保護施設にも言いたい。そういう施設は評判に傷もつかず、引き取り手が現れなかった動物たちに安楽死の処置をとらなくてすむだろう。保護施設が安楽死させてくれたら自分は手を汚さずにすむ、とひそかに笑っている奴らもだ。くそったれ!

(引用ぼくが猫の行動専門家になれた理由 (フェニックスシリーズ)) 

そしてジャクソンと飼い猫ペニーとの最期の別れの項目は、どうしても今飼っている猫が思い浮かんで、涙無くして読めなかった。

猫と暮らすことは最高に幸せなことだけど、必ず最期のお別れが来る。

そのことを考えるのはとても恐ろしいのだけど、今はできるだけこの子が穏やかに暮らせるようにしてあげること。

そして、この子が苦しい思いをしてまで延命はしないでおこうと思っている。

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