銀行はこれからどうなるのかを読んだ。
この本は読んで字の如く、銀行の現状について分析し、将来どうなるかを考察した本。
この本を読んでまず思ったこと。
今後銀行は少しずつ淘汰され、アマゾンなどの異業種がかなりの脅威になる。
低金利による痛手を被っているというのもあるが、私は銀行が衰退しているのはそれだけが原因とは思えない。
今まで行っていたビジネスモデルでは、この先通用しなくなるのがこの本を読んでよくわかった。
個人の預金が起点
経済や金融の教科書などでよく言われる銀行の金融機関としての役割は、次の3つだ。
(引用 銀行はこれからどうなるのか)
- 借り手と貸し手の仲介をする「金融仲介機能」
- 預金がさらなる預金を生み出す「信用創造機能」
- 現金を直接使わずに銀行口座でさまざまな決済ができる「決済機能」
銀行のビジネスモデルを考えると、まず「個人の預金」が起点になる。
「個人の預金」の行き場所はネットの普及などでかなり選択肢が広がった。
決済に関して言えば、プリペイド・電子マネー然り、コンビニで処理できるものが増えた上、クラウドファンディングなど資金調達も銀行を介せずとも行えるようになった。
(私は生活費のほとんどを振込手数料や引出手数料が無料のネットバンキングに預けている)
「電子マネー」は中国でかなり浸透しているが、以前深圳で働く日雇い労働者のドキュメントを見たとき、全て電子マネーで決済していた。
(人民元の紙幣は偽物が多いからまだ電子マネーの方がいいとのこと)
ちなみに私は中国の電子マネーサービスは死んでも使わない。
中国共産党にデータを取られるのは目に見えている。
日本のクレジットカードは日本の銀行の貴重な収入源。が、3%の手数料と比べて中国のアリペイ、ウィーチャットペイのソレは0.3%と10分の1。加えてアリペイを擁するアント・フィナンシャルが日本の破綻した地銀を買って4.2%の利回り運用で日本人の個人金融資産900兆を狙う。日本の銀行の終焉は近い
— 村西とおる (@Muranishi_Toru) 2018年8月12日
おそろしや、おそろしや。
アマゾンの脅威
中国共産党の話はさて置き、私は今ある世界の銀行の脅威となるのはアマゾンが本命でないかと思っている。
実はアマゾンは、売上債権・棚卸在庫・買入債務の日数を調整することで手元資金を厚くするような経営をしている。(中略)アマゾンは、売上債権と棚卸在庫の回収を早めるとともに、買入債務の支払いを遅らせることで、キャッシュ・コンバージョン・サイクルをマイナスの状態(手元に資金がある状態)にしている。この資金を貸出するなどして活用するというのがひとつの金融事業への参入方法だ。
(引用 銀行はこれからどうなるのか)
クラウド事業も絶好調。
グローバル展開している上、お金のデータだけでなく商流も押さえているアマゾンはかなりの脅威だと感じる。
「Amazon Go」はレジのないスーパーマーケットやコンビニとも呼べる便利さで、この店舗が日本に進出すればますます「個人の預金」はアマゾンへ流れるのではないだろうか?
(しかもAmazonギフト券のポイントの付与率は普通預金の金利よりも高い)
Introducing Amazon Go and the world’s most advanced shopping technology
4月にアメリカに行った際、「Amazon Books」に寄ってみたのだけど、商品のディスプレイはなかなかよかった。
レジを通さなくていいのはかなり便利。
金融事業も抑えることができたら、Amazonは大帝国の完成ですな。
銀行はどう対応しているのか?
銀行もただ指をくわえて見ているわけではない。銀行の現在進んでいる方向は、大きくは次の3つの特徴がある。
(引用 銀行はこれからどうなるのか)
- 不動産業への貸出拡大
- 手数料ビジネスへのシフト
- 海外への展開
不祥事が相次いでいるのを見ると、銀行もかなり厳しい状況に追い込まれているのだろう。
資金力のあるメガバンクであれば、海外投資をできる体力もあるだろうけど、地方銀行はかなり厳しいと思う。
お金をたくさん持っているITに不慣れな老人が多い間は生き延びることができるかもしれないが、その世代がいなくなれば完全に淘汰されてしまいそう。
うちの母は60代だけど、いまだに窓口で手続きしている。
「いい加減ネットバンキング申し込みなよ」と勧めているのだけど、怖いから嫌だそう。
ちなみにこの本を読んで知ったのだけど、ゆうちょ銀行は貸出より有価証券での運用比率が高い。
メガバンクグループが預金の70%程度を貸し出しているのに対して、ゆうちょ銀行は貯金に対する有価証券での運用比率は80%。
日銀が金利上昇を容認したのも、金融機関をなんとかしたいという思いもあるのかもしれない。
(それとも官僚の天下り先を守りたいだけ?)
三菱UFJ銀行
メガバンクとて安泰ではない。
この本によると、口座数は三菱UFJ銀行が約4,000万とトップ。
ATMの設置台数も銀行が保有する台数の中でも頭ひとつ抜けているそう。
そんな三菱UFJもATMを2割削減を検討しているとのこと。
三菱UFJといえば、来年にも仮想通貨「MUFGコイン」の実証実験を始めるとの報道も出ている。
上記の記事がとてもわかりやすかったのだけど、仮想通貨は確定申告が必要になるというのはネック。
手数料を安く抑えたい人にはブロックチェーンの技術はいいのだろうけど、投資まで考えていない人には障壁がありそう。
ただでさえ仮想通貨にマイナスイメージを持っている人は多いだろうし。
法人ならコスト削減も兼ねて利用してみる会社は意外とありそう。
そういえば、GACKTコインどうなったんだろう?
大丈夫?
【DHC】8/8(水) 【DHCテレビ 夏祭り! 8時間ぶち抜きコラボ生放送】
この前DHCテレビの夏祭り、放言リークスBARでおじきこと須田さんがなかなか怖ろしいことを言っていた。
(動画いつか消えちゃうかもしれないけど、気になる方は7時間46分あたりから見てみてください)
簡単に要約すると、銀行って消えてなくなるよねという話。
- 硬貨の預金受付はコストがかかるので制限。
- ほとんどの銀行は本業で赤字。
- 日本の金融機関が儲からなくなるのでアリペイを入ってこないようにしている。
- あるメガバンク(M井S友)の送金システムは年間2,000-3,000億ハッキングで盗まれている。
- そのセキュリティーシステムは45年間変わっていない。
- メンテナンス会社がシルバー層の受け皿なのでその人たちの食い扶持がなくなるため、解決できるシステムがあるにも関わらず導入しない。
- 盗難保険に入っているから損はしない。
- Suicaはハッキングで盗まれるので上限が3万までとなっている。
- Suicaのハッキング被害は数百億円単位だが、損失の肩代わりはFeliCaを作ったソニー。
- しかしソニーの決算書を見ても損失処理された形跡なし。(含み損いくらになってるの?)
これ、ヒドイ話だ。
M井S友なんて潰れても文句言えないでしょ?
ソニー、最高決算迎えるとか言いながら大丈夫なのか???