メンタルが強い人がやめた13の習慣を読んだ。
メンタルが強い人がやめた13の習慣
この本にあるメンタルが強い人がやめた13の習慣が以下の通り。
- 自分を哀れむ習慣をやめる
- 自分の力を手放す習慣をやめる
- 現状維持の習慣をやめる
- どうにもならないことで悩む習慣をやめる
- みんなにいい顔をする習慣をやめる
- リスクを取らない習慣をやめる
- 過去を引きずる習慣をやめる
- 同じ過ちを繰り返す習慣をやめる
- 人の成功に嫉妬する習慣をやめる
- 一度の失敗でくじける習慣をやめる
- 孤独を恐れる習慣をやめる
- 自分は特別だと思う習慣をやめる
- すぐに結果を求める習慣をやめる
書いてあることはわかる。
しかし、『わかる』と『実行できる』はまた別の話。
これらのことは、世に出ている自己啓発の本にも書かれていることかもしれないけど、『わかる』から『実行』できる人の違いはなんだろう?
上記に挙げられたことは、ある意味人間の本能に抗う行為でもある。
だからこそ難しく、頭でわかったとて、なかなか実行することができない。
この本能ともいえる自分自身の感情をうまくコントロールし、さらに自分を客観視できる人間が『メンタルが強い人』だと私は思う。
この本の著者であるエイミーさんは、メンタルの力をはぐくむには、3方向からのアプローチが欠かせないという。
1.思考ーー根拠のない思い込みを特定し、より現実的な思考に置き換える。
2.行動ーーどんな状況でも、前向きな行動を取る。
3.感情ーー感情に支配されないよう、自分が感情の手綱を握る。
(引用 メンタルが強い人がやめた13の習慣
)
これらのアプローチに加え、大事なポイントが「すべきこと」と「すべきでないこと」の選別。
この選別がうまい人が、成功できるか否かのターニングポイントだと思う。
良い習慣はたしかに大切だけれど、私たちが持てる力をフルに発揮できない理由は往々にして、悪い習慣にある。世の中のありとあらゆるよい習慣を身につけたところで、悪い習慣を温存していたのでは、目標になかなか到達できないだろう。
(引用 メンタルが強い人がやめた13の習慣
)
メンタルの力にまつわる8つの真実
エイミーさんが紹介するメンタルの力にまつわる8つの真実。
- メンタルが強いことと、タフにふるまうこととは違う。
- メンタルを強くするために、感情を無視する必要はない。
- メンタルを強くするために、身体をマシンのように扱う必要はない。
- メンタルが強いからといって、すべてを自分でやる必要はない。
- メンタルが強いことと、ポジティブ思考とは違う。
- メンタルの力をはぐくむのは、幸せを追い求めることとは違う。
- 「メンタルの力」は、ウケ狙いの心理学の最新トレンドではない。
- メンタルの力は、心の健康(メンタルヘルス)とイコールではない。
なるほどと思ったのが、過度にポジティブに考えることは、過度にネガティブな思考を抱くのと同じくらい害が大きいということ。
メンタルの力とは、「現実的、合理的に考える力」のことであり、メンタルの力とメンタルヘルスはイコールではないということ。
例えば糖尿病のような病気を抱えていても、体力がある人もいる。
同じように心の病があっても、悪い習慣にはまるとは限らず、健全な習慣を選ぶこともできる。
人一倍の目的意識、努力、取り組みは必要になるが、無理な目標ではないとのこと。
この本にある13の習慣をやめたからといって、メンタルが強くなるとは限らないし、エイミーさんも言うように、本1冊読んだだけで何かのエキスパートになることはできない。
ただ、何か成し遂げたい、メンタルを強くしたい人には、何らかしらのヒントがある本だ。
もちろん『実行』できなくてはいけないが、『実行』するには自分の思考を少しずつ矯正していかなくてはいけない。
それは一朝一夕でできるものではなく、日々の習慣が大事になってくる。
私がこの本にある13の習慣の中で興味を惹いたのが、「一度の失敗でくじける習慣」と「すぐに結果を求める習慣」をやめる。
この二つはリンクしている。
それでは具体的にみていこう。
一度の失敗でくじける習慣をやめる
失敗は、成功というプロセスの一部だ。失敗を避ける人は、成功も避けている。-ロバート・キヨサキ(アメリカの投資家)
(引用 メンタルが強い人がやめた13の習慣
)
一度の失敗でくじけると、「失敗は悪いもの」という考えが強化され、再挑戦しなくなってしまう。
失敗を恐れる気持ちが学ぶ力を妨げるとエイミーさんは語るが、では具体的にどう思考を変えていけばよいのだろうか?
- 失敗を学ぶチャンスだと考える
- 一度失敗しても「また挑戦する」と心に決めること
- 失敗の恐れと向き合うこと
- 成功の可能性を高める新しい計画を立てる
- 失敗に対する根拠のない思い込みを明らかにし、現実的な思考に置き換えること
- 自分のスキルを誇示するのではなく、磨くことに専念すること
自分を慈しむ心や、高すぎない健全な自尊心が、フルに力を発揮するカギになる。自分に厳しすぎると、「私はいまいちだ」と思うようになるし、自分に甘すぎても、行動に言い訳ばかりするようになる。自分を慈しむくらいがちょうどいいのだ。
(引用 メンタルが強い人がやめた13の習慣
)
この「慈しむ」っていいな。
すぐに結果を求める習慣をやめる
忍耐力ゼロのハイペース社会
私たちは列に並ぶ必要も待つ必要もない、スピーディな世の中に住んでいる。手紙を出して届くまで何日も待っていたのは昔の話。今や電子メールを使えば、数秒以内に世界中のどこへでも情報を送れる。CMが終わるのを待たなくても、大好きなテレビ番組を見続けられるし、オンデマンド・サービスを使えば、一瞬のうちに観たい映画を楽しめる。電子レンジやファストフードがあれば、ものの数分で何か食べられるし、たいていのものはオンラインで注文すれば、24時間以内に玄関に届く。ハイペースな世の中は、待てない人を増やしただけじゃない。巷は「一夜にして成功した人」の話題で持ちきりだ。YouTubeのビデオがきっかけでスカウトされたミュージシャンや、リアリティ番組に出てあっという間にセレブの仲間入りを果たした人たちの話を聞いたことがあるだろう。起業した途端に、何百万ドルももうけた会社のことも。この手の話が、「すぐに結果がほしい」という気持ちをあおるのだ。
(引用 メンタルが強い人がやめた13の習慣
)
現実に、直ちに成功を収める話なんて稀な話だとエイミーさんは語る。
今華々しく成功している人(企業)も(グーグルだってAmazonだってアップルだって)、すぐに成功したのではなく、長い時間がかかっている場合がほとんど。
しかしハイペースな社会では、すぐに結果を出したいと考える人が増えても不思議でないとエイミーさんは言う。
では、すぐに結果を出したいと考える理由はなんであろうか?
- 忍耐力がない
- 自分の能力を買いかぶっている
- 変化にかかる時間を短く見積もっている
ハイテクノロジーに慣れてしまっている人間は、自分もすばやく変化を起こせると勘違いしがちだが、人間はテクノロジーほどすばやくない。
個人も企業の変化も時間がかかるのだ。
長期的かつ現実的な期待
大切なのは長期にわたってモチベーションを保ち、現実的な期待を持つこと。
エイミーさんが提案する現実的な期待を育む方法がこちら。
- 変化の難しさを見くびらない
- 目標達成に、明確な期限を設けない
- 結果が人生に及ぼす影響を、買いかぶらない
さらに見えにくい進捗もあると心得ようと語っている。
目標にたどり着く道は、まっすぐだとは限らない。よくなる前に悪化することもある。それでも、長期的な目標を忘れなければ、広い視野に立つことができる。新たなビジネスを立ち上げるにしろ、瞑想を学ぶにしろ、目標に向かって歩みだす前に、進捗を評価する方法を考えておくこと。
(引用 メンタルが強い人がやめた13の習慣
)
マイペースでいく
何に取り組んでいるにせよ、すぐに結果を求めていたら、燃え尽きてしまう。マイペースでいこう。そうすれば、目標に向かってこつこつ歩んでいける。ゆっくり着実なペースで進むことの大切さを学べば、忍耐強くなれる。ほしいものを急いで手に入れようと焦るのではなく、正しい方向へ進んでいける。
(引用 メンタルが強い人がやめた13の習慣
)
マイペースを保つのも、なかなか大変。
周囲の雑音、自分の中にある不安や葛藤との闘い。
だからこそ「自分の感情の手綱をしっかり握る」という意識が大事なんだろう。
超一流と言われる人たちは、この部分がしっかりしているのだろう。
節目にお祝いする
最終目標を達成するまで、お祝いしてはいけないわけじゃない。むしろ、短期的な目標を設定し、達成するたびにお祝いしよう。家族と食事に出かけるようなささやかなお祝いでも、自分の進歩を認める助けになる。
(引用 メンタルが強い人がやめた13の習慣
)
節目のお祝いって、進捗確認にもなるのか。
一通り読んで思ったのが、いかに自分を客観視して現実的に物事にアプローチしていけるかが重要だと感じた。
この本を参考に、少しずつ思考を矯正していきたい。