【書評】運の方程式

鈴木祐さんの運の方程式がおもしろかったので、備忘録としてまとめておく。

知的謙虚さ

知的謙虚さとは、自分の知識と能力の限界を正しく把握できている状態のこと。

知的謙虚さを持つ人は、自分の限界を知っているためバイアスに惑わされにくく、客観的な情報を元に行動できる。(=自分の意見にしがみつかない)

その対極にあるのが『傲慢』。

そもそもの話として、世の中の議論において、明確な白黒がつくことはまずありません。事実の誤認でもあれば別ですが、たいていは、正しい知識と誤った認識が複雑に入り混じり、簡単に結論を出せないケースばかりでしょう。要するに、私たちのなかに絶対の確信が生まれた時点で、その認識は間違いである可能性が高いのです。

少しでも気を抜くと人間は自分の考え方にしがみつく生き物とのことで、最近は意識していろんなジャンルや興味のなかった本や映画、ドキュメンタリーなんかも見るようにしている。

天才は幅広い実験と一点集中をくり返す

人生の確変状態、勝利が勝利を生む状態ホットストリーク。

このホットストリークに入った者の多くが、多様な実験を行ない、連勝が続いてからはリソースを一点集中していることがわかったそう。

この「幅広い実験」と「一点集中」を交互にくり返すことで運を正しく活かせるようになるそうな。

失敗は人間の行動において自然なもので能力の低さを示すものではない

問題を解くためには仮説と検証をくり返すしかなく、失敗は新しく得られたデータのひとつでしかない。

失敗したら科学者のように考えるだけで、人は挫折から立ち直るスピードが格段に早くなる。

人生には不運がつきものと心から受け入れ、仮説と検証をくり返し、失敗しても早く回復することが大事。

全ての成功に明確な理由を求める生き物、それが人間

「成功の物語が読者の心をつかむのは、私たちの脳が欲しがるものを提供してくれるからだ。勝利にはすべて明らかな原因があり、運や統計的な平均回帰は無視してかまわない。そんなメッセージのことである。」

成功したのには複雑な原因があるかもしれないのに、未知の情報がもたらす不快感を嫌うあまり手軽な答えに飛びついてしまうのが人間。

不確実性が高い時代では、誰もが明確な答えを求め依存してしまう。

尊大な心からは運のホットストリークは生まれない

過信の心には察知力を下げる働きがあり、起業家に行った調査でも過信が強い者ほどのちに事業が失敗に終わる確率が高かったそう。

要するに、成功者は、自らの能力や成果におごってはいけません。その成功は、多くが運の産物だからです。

同じように、失敗者は、自らの敗北を嘆く必要はありません。その失敗もまた、多くが運の産物だからです。

 

ということで、日々幅広い分野の本や映像に触れ、自分の意見と違うものやいろんな文化に意識して接していこうと思う今日この頃。